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Kamiigusa Asagi Diary

あさぎ介護日記2016年08月

上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2016年08月

8月14日(日)
いつもと変わらぬ夕方の夕食作りの時でした。率先して作ってくれるHさん。
食事作りや、洗濯物など家事全般が得意で、やりがいを感じているお年寄りです。今日はそのHさんの故郷、山梨の郷土料理ほうとうを作ろうとHさんに提案しました。
「山梨の郷土料理ってなんですか?」
「ほうとうだよ。」
「作り方教えてね。」
早速作り方がはじまりましたが、最近のHさんは得意の料理も上手にすることが難しくなり、「これはどうやって切るの?」などと聞かれその都度スタッフが見本をお見せしHさんがその通りに作っていました。
しかしその日のHさんは「かぼちゃはまだ?かぼちゃは煮込んで崩れているくらいが美味いよ」「たまねぎはいれた方が甘くなって美味しいよ」と的確に教えてくれました。ほうとうの写真を見た私は、まぁ、野菜と豚肉を煮込めばなんとかなるだろう…くらいにしか思いませんでした。が、Hさんの言うとおりに一緒に作ると、写真そのもののほうとうができました。
皆さんで召し上がっている最中、Hさんへ
「味はどうですか?」
「いいね。懐かしい味だ。」
Hさんの一面が見え、楽しそうな笑顔も見えたそんな夕食のひと時でした。

8月16日(火)
消防訓練をしました。
午後から始まり、まずはユニット内で避難訓練を実施しました。ほとんどのお年寄りが参加されシミュレーションをしました。普段から定期的に行っているので皆さま大変落ち着かれており、
スタッフ「火事だー!」
Sさん「はいはい、玄関へ向かえばいいんでしょ~、どっこいしょ」
Kさん「今?塗り絵いいとこだったのに、あはは」
Oさん「ちょっと・・トイレ!後で、、、(行きます)」
イメージ通りに行かず焦るスタッフでしたが、最後のお一人を玄関へ誘導し終える頃には参加者全員お揃いで、静かに待たれていました。
日々の訓練の大切さを実感し、お年寄りが頼もしく思えた一面でした。
ユニット内の訓練を終えると、次は外で消防士さんによる消防訓練へ。
“消火器の正しい使い方”を学び、それぞれ体験させて頂きました。
実際に持ってみると重さがあり皆さん驚かれつつも、重い消火器を手にし栓を引き抜き、器用に使いこなされていました。一通り体験し、消防訓練は終了しました。
ユニットに戻られた後はティータイム。先ほどの体験話を元に談笑され和やかな時間を過ごしました。

8月28日(日)
夕食の買い物にTさんをお誘いし近くのスーパーまで出かけました。
「台風がきてるんだって」「雨降るといけないから傘もっていこうか」と
話しながら買い物へ。
道中同じユニットのKさんがよく拾ってくる〝ヤマホウシの実″が落ちているのを見つけました。
「ちょっと、これじゃない?よくあの人が拾ってくるイチゴみたいな実!」
「こんなところに落ちてるのね、ありゃ、あんな高いところに…」
見上げた先には建物の二階にまで伸びるヤマホウシの木がありました。
「買い物にでかけなきゃ見つけられなかったかもしれないですね」と話すと
「そうね、これ全部落ちちゃうんじゃない?」と心配されていました。
台風が過ぎてからまたみにきてみましょう、と笑いながら話されていました。

8月30日
今日は午後から蓄音機コンサートがありました。
戦前の東海林太郎の歌から戦後のリンゴの唄、青い山脈、長崎の鐘などお年寄りの方々が、生きてこられた時代の曲の数々が蓄音機から流れてきます。みなさん一緒になって歌を口ずさまれたり、目を閉じて感慨深く聞き入ったり、その時代の事を思い出して相槌を打たれたり、、、。Fさんは歌がお好きで歌集を見ては昔の歌謡曲をよく歌っていたのですが、骨折されて車椅子になられてからはご自分で歌われることも少なくなっていました。Fさんは蓄音機を目にすると、「ああ家にもありましたよ、父が買ったんだと思います。」と笑顔で話して下さいました。次々に流れてくる歌を口ずさまれたり、お顔もうっすら高揚し感情失禁も見られましたがとても楽しまれていました。外出することもままならなくなったお年寄りの方々にボエンデの中での楽しみを味わえる機会をもっと作れればいいなと思いました。

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