上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2016年03月

3月17日（木）
　今日は以前広告をみてSさんが行ってみたいと言っていた苺狩りへTさんもお誘いして新倉農園へ出掛けています。途中、手打ちそば屋さんに立ち寄り、Tさんは「この桜そばって珍しいじゃない？これ食べてみようかな。」と選ばれ、Sさんは「あったかいお蕎麦がいいわ。」とかけそばと天ぷらを召し上がられています。その後、新倉農園に向かい苺狩りをしています。ハウスの中いっぱいに苺の香りが広がり、苺のパックとハサミをそれぞれ手に持ち苺狩りを楽しまれています。Tさんは珍しい品種のバラと桃の香りのする苺を摘まれています。Sさんはあきひめという品種の苺を沢山摘まれています。摘み終ってから外のテラスでもぎたての苺を召し上がられ「香りが全然違う！甘いね。」とお二人ともたくさん召し上がられています。ボエンデへ戻り、他のお年寄りにもお土産に持って帰りお夕食で皆さんにもおすそ分けしています。Tさん「今度はメロン狩りでもよろしく。」と冗談を話され春らしい楽しい一時を過ごされた様子でした。
　
3月21日（月）
　日中のお話からTさんが図書館に行きたいと話されており、夕方ボエンデ近くの今川図書館に出かける事になりました。「看板が出てるからなんとなく分かるわ」とスタスタ進んでいくTさん。途中椿や桜が咲いており「立派ね、これは何かしら」と花を眺められ寄り道をしながら図書館へ向かいます。「案外近くにあるのね」と閉館時間までのんびりと過ごされています。「さっきの道車も少ないから散歩にもよさそうよ、何の花か分からないけど綺麗なのが咲いていたし」とボエンデに戻られてから一緒に何の花だったか調べたり「次は借りたいわね」とTさんにとって楽しい事が増え、短い時間でも充実したお出掛けとなりました。

3月24 日（木）
先日入居されたTNさんはまだボエンデに馴染まれず、「家に帰ろうかしら」「ここでこうしていてもバラの手入れもできないし。。」と所在なさげにいらっしゃいます。また、「私婆さんだからもういいの」と仰ったりもされ気分よくとは言えない様子でした。　何か気分転換になる事はないかと思い、オペラ鑑賞がお好きとのことで、モーツアルトのオペラのアリアを口ずさんでみたところ、顔の表情がぱっと変わり笑顔になられ、
そのアリアのフレーズを一緒に口ずさんで下さいました。「昔は好きでよく聞きに行ったけど」とひとしきりお話してくださいました。些細な事の積み重ねで信頼は生まれます。そのことを大事にお年寄りと関わって行こうと改めて思いました。