上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2015年03月

3月10日（水）
　本日はN・Mさんのお誕生日でした。夕方スタッフがこっそりと「お誕生日おめでとうございます」と声をかけるも「昨日あまり寝てなくて…」と疲れ気味でいつもより眠気が強いご様子のNさん。就寝準備も疲れのせいかなかなか進まないなか、スタッフがNさん宛ての娘様からのお手紙を渡すと「なにこれ…あ、娘ね！バースディカードよ」とさっきまでの疲れ顔が薄れ笑顔になるNさん。「きっと忙しいのね、ほら見て。可愛いわ」とカードを眺められておいででした。「寝る支度済ませてからゆっくり見るわ」と早々と支度を済ませカードをご覧になられてました。疲れていても家族からの手紙で元気になれるのだなと感じました。

3月23日(月)
　毎日洗濯物を干したり、料理をしたり規則正しく毎日を過ごされスタッフの一員のように手助けをして下さるHKさん。夜、就前薬をお持ちして訪室すると一日を充実して過された安堵の笑顔で迎えてくれます。定年まで小学校の先生をされ、読書が趣味で何冊もの本を息子さんがお持ち下さっており寝る前のひとときにひもとかれています。最近話題になった新聞小説やエッセイ。。。その中で江國香織の本が2冊目にとまり「これは読まれたんですか？」とお尋ねすると「読みました。どうぞ持ってってください。」とすすめてくださり、お借りしました。そして「その本は差し上げます。私がここにいた証です。」と話されました。私はその場で、いえ、またお返ししますね申し上げましたが、ここにいた証という言葉にふいをつかれた思いがしました。「ここで暮らす毎日がいとおしいです」と常々話されるように自分の生を大切にしていることがひしと伝わってきました。
件の本はとても面白く読ませて頂きました。またHさん文庫からお借りして、読書談義をしたいと思いました。

3月24日(火)
　今日は新聞の抽選で豊島園のチケットに当選したので、K.MさんとS.Yさんをお誘いして出掛けています。行きの車中では、お二人で「久しぶりだね。豊島園には昔行ったことあったような…？あなたは行ったことある？」と話されています。初めに、レストランへ行きKMさんはカレーライス、SYさんは豊島園セットを注文され「おいしい！外に桜の蕾が見えるね。咲いたら綺麗だろうね。」と話されながらよく召し上がられています。昼食後、列車の乗り物に乗ってみませんかとお誘いすると「乗ってみたい！」と話され乗車しています。乗り物が動くとKMさん「すごいねー！子ども電車だけど馬鹿に出来ないね！楽しい！」と話され大変喜ばれています。SYさんも「梅が咲いていて景色が良いね。お天気も最高！向こうのは紫陽花？咲いたらきれいだね！」とお二人で大変楽しそうに話されていました。その後、お二人とも「もう十分だね。帰ろう。」と話されており、お土産を購入し豊島園を出ています。ボエンデに着くとSYさんが車を降りるなり「あー楽しかった！これからまたカゴの鳥～。」と笑って話されています。KMさんも「また連れてって。お願いね。楽しかった！」とスタッフの腕を掴み話されています。SYさん「ここに来て良かったわよ。まさか遊びに行けるなんて思ってなかったわよ。お友達も出来て。」と新しい生活に慣れてきたところでの外出でお二人の仲が深まるきっかけになれたようでした。