上井草グルップボエンデ あんず介護日記2011年03月

3月6日（日）
午後からＨＹさんとドライブがてら、いつもとは違うスーパーマーケットへ買い物に出かけました。買い物中からパンの焼ける匂いに、パンが食べたいわとＨＹさん。食べちゃいましょうかとお返事すると、良いわねと笑顔でいらっしゃいます。パンを選んでいただくとクリームの入った大きなパンを指差され購入。隣接している休憩所で早速召し上がられ、「美味しいわ！」と口元にクリームをつけていらっしゃいました。「口を拭いてください。」とナフキンを差し出すと、「あなたもね。」とお互いの顔を見て笑い合いました。「こんなに楽しいのなら毎日来たいわ。」と話しながら帰路に着きました。

3月某日
髭が少し伸びてきたMOさんにスタッフが「いつもかっこいいMOさんには珍しく髭が伸びてますね。」とにこやかに話しかけました。「また上手い事言って。」と満更でもなさそうに髭を触り「んんー。ほな髭剃るかな。」と腰を上げられました。髭を綺麗に剃ってしまうと、様子を見に来たスタッフに鏡越しに顎をつきだすようにして“どうや”とさらに男前になったお顔を自慢しておいででした。「綺麗になりましたね。」とスタッフが言うと、「そうやろ。気品があるんや。よく俳優さんと間違えられたもんや。」とご自身の整ったお顔を手でなでながらおっしゃっていました。

3月11日（金）
今日は晴天でとても気持ちの良い天気です。MTさんはスタッフと共にバスで荻窪に出かけました。ランチを食べてからお土産に桜入りチーズケーキを買って帰りました。15時前皆ダイニングテーブルに集まり紅茶を入れて、さあいただきましょう。と食べ始める前に“グラグラ！”と大きな横揺れが始まりました。「あ！揺れてるね。」と皆さん座りながら天井のライトを見てゆれがおさまるのを待ちました。「大きかったですね。びっくりしました。」と話され皆さんは冷静に行動しておられました。揺れが収まるとHYさんはこぼれた紅茶などを素早く雑巾で拭き取っておられました。それから改めて、「いただきます。」とチーズケーキと紅茶を召し上がられました。

3月25日（金）
少し風の冷たい日でしたが、今日はお年寄りの皆さんとタクシーで吉祥寺へ。KKさんは朝からソワソワされ昨日から用意していた洋服をお召しになっています。馴染みのある町並みのようでいろんなところを指差されています。昼食に立ち寄ったカレー屋さんでは「うんまいね。」とSHさん、食後に立ち寄った井の頭公園では、子供～大人まで沢山の方に声をかけていただき、MTさん、HCさんは満面の笑みで子供たちに話しかけています。ペットを連れて歩かれている方も多く、多くのワンちゃんに皆さん癒されていたようです。桜の咲く頃また遊びに行きたいですね。

3月某日
　3月に入り暖かな日も少しずつ増えてきました。窓からさす日差しも春の日差しです。KFさんのお食事の用意をして、お昼ご飯。静かに眠られていましたが、目を覚ますとぱっちりと目をあけられていました。「何かおもしろいことないかな・・・。」というように、スタッフと目を合わせられたのでしょうか。そこへHYさんが訪れて、KFさんにご挨拶。「こんにちは。あら、起きられたんですね。」スタッフが「お一人でお食事はさみしいから、HYさん、そばにいてあげてください。」と言うと「はい、いいですよ。」と快くそばで柔らかに話しかけてくださいました。お食事後、HYさんとスタッフとで、童謡を歌いました。『ふるさと』は二部合唱。ソプラノの美声でHYさんが歌ってくださいました。KFさんは、目をつぶってこくりこくりと眠られていました。HYさんが「もうお休みのようね。」と言われそっと二人でおいとましました。

3月28日（月）
　入浴中、湯船から上がるタイミングの声かけをしたスタッフにMOさんがいいました。「あと１０数えたら。」そこで「ひとつ、ふたつ、―――」とスタッフと一緒に数え始めました。しかし、まだMOさんがゆっくりしたそうだったため「ひぃ、ふう、みぃ、――」と違う数え方にもチャレンジしましたが、スタッフは途中で数え方が分からなくなったため、MOさんに教えてもらいながら数え終えました。するとまだまだ余裕のMOさんは｢one,two,--｣と英語で数え始められ、さらに「ウン、ドス、トレス、―」と次はスペイン語が出てきました。そこまでスタッフと一緒に数えると、満足された様子で「まあ、出るわ。のぼせたらあかんしな。とご自分から湯船から立ち上がられ、「ああ、ええお湯でした。」とさっぱりしたお顔を見せてくださいました。