上井草グルップボエンデ あかね介護日記2008年08月

8月8日（金）
蒸し暑く、何もしなくても汗ばむ陽気でした。外出するには暑すぎると、話されていたお年寄りを誘って、１階のブルーベリーの実り具合を見にいきました。小さな実が少しずつ色濃くなってきています。｢小さいけれどがんばってるわねー。｣とTさん。｢おいしそうだねー。｣と話すと、｢まだ、実ってもないのに運命が決まってるのね。かわいそうに、がんばれ、がんばれ。｣と優しく声をかけられました。｢植物は話しかけると良く育つんだって。」と言うと、今度は｢おいしくなーれ。｣と。やっぱり運命は決まっていましたね。

8月10日（日）
　KさんとOさんとで連れ立って、今日の午後は井の頭公園にある動物園に行ってきました。童心に帰ったような表情で散策して周り、すれ違う子供たちに優しく声をかけ、自分の干支と同じ動物を見つけては喜び、帰りにはソフトクリームを食べてきました。ちょっとした遠足気分に浸れたようです。

8月13日（水）
　Tさんは今日待ちに待った娘様とのお出かけの日です。娘様が迎えに来る前から、玄関のほうに人気を感じると立ち上がってみたりと、ソワソワ嬉しそうな様子。スタッフと一緒に身支度、お化粧を念入りに済ませいざ出発。予定よりも早めの帰宅となりましたが、ご本人は満足そうな様子。また新しい思い出が一つ増えましたね。

8月14日（木）
　今日は美術教室の日です。一枚の大きな画用紙に4～5人でスペースを割り振っての合作絵画を作成しました。なかなか芸術家が多く、色合いや配置、作風などとても個性的で、ちょっと額に入れて飾りたくなるような仕上がりになりました。ユニットの目立つところに飾っておくと「あ、あれ私が描いたの」とちょっと照れつつ、でもどこか誇らしげに語る画家さん達でした。

8月23日（土）
今日の午後からO.さんと近所のスーパーに夕食のメニューを買いに行きました。この日は朝から曇りで、いまにも雨が降りそうな様子でしたが、「たまには行かなきゃね。お芋が食べたいわ」とはりきっています。私たちが外へ出たと同時くらいに雨がポツポツ・・・と。「私が出掛けるといつもこうなのよ。たいして降らないんだけどね。」とつぶやかれるも微笑み軽快に歩かれていました。スーパーに着くとまずお芋を選んでお魚やお浸し用のお野菜などほとんど食材を選んでいました。帰り道で傘をささなくてはならないくらいに雨が降ってきましたが、「荷物重たいでしょ。大丈夫！」などとスタッフを気遣ってくれました。

8月26日（火）
　新入居のS.さん。今日は初日で不安という事もあり、ご主人も一緒に一泊することになりました。入居前は「家事はほとんどしない」と聞いていたS.さんでしたが、ご主人に食事を配膳したり、食器洗いも「私がやるわ」としっかり二人分片付ける等々、とてもテキパキとされていました。夜は二人で仲良く川の字（？）になって就寝。とても素敵なおしどり夫婦を見させていただきました。

8月30日（土）
　Sさん、日課のお茶をしに外出着に着替えお出かけです。しばらくすると雨が降り出し、傘を持っていなかったら大変とスタッフはSさん行きつけのファミリーレストランへ迎えに行きます。しかし姿が見えず、どこに行ったのかと心配しているスタッフをよそに、なにくわぬ顔で帰宅してきたSさん。折り畳み傘を持っていったものの、ブランド品だったので濡らすことをためらい、隣のスーパーで傘を購入し帰ってきたとのこと。片手には傘を、もう片方の手には「食堂にどうぞ」とプレゼントの花を。頼もしい限りですね。