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Kamiigusa Akane Diary
あかね介護日記2008年04月
上井草グルップボエンデ あかね介護日記2008年04月
4月7日(月)
この夜、お年寄りの一人が静かに息を引き取られました。スタッフもお年寄りの皆さんも最期のお別れをしました。心に残るのはおおらかな笑顔ばかりです。男らしい大きな手の平で握手をしながら「やあ…」と古くからの知人のようにいつも応えてくださいましたね。奥様が面会に来ると、いつも奥様の荷物を持ってあげようとされたりする姿、いつまでも心に残っていることと思います。一緒に過ごせた時間に感謝の思いが尽きません。心からご冥福をお祈りします。
桜蘂 積もる湖畔に 人疎ら
4月8日(火)
昨夜からの雨が激しくなる中、有楽町にある、東京宝塚に、宝塚大好きのNYさんと出かけました。 道々、どこへ行くの?宝塚ですよ。わー嬉しい。又、しばらく歩いていると。どこへ行くの?と・・劇場では、戦後の混乱期の芝居でしたが、じーっと食い入るように鑑賞され、レビュウの歌や踊りになると、身を乗り出すようにして楽しまれていました。スタッフの私もNYさんに負けず、胸をわくわくさせて娘時代を思い出しました。
4月9日(水)
隣の切り通し公園では朝から賑やかに工事をする音がしており、見ると長く子供たちに親しまれてきた遊具の取り壊しが行われています。その様子を周りで眺めていた子供たちの姿を見て「いつも子供があそこに上って遊んでいたね」「部屋から眺めるの楽しみだったのにな」とお年寄りも寂しそうにつぶやきます。「新しいものに作り変えればまた子供たちが遊びに来れるのにね」ボエンデから見える賑やかな公園の景色を心待ちにしているようでした。
4月10日(木)
1日雨降りのお天気、午後からはあんずとあさぎりの皆さんをお招きして、クッキーを作りました。大きさも分厚さも、いろいろな形のものができました。お隣さんのを見ながら、「あなたセンスがいいわね。」と褒めあいながら交流されています。焼き上がるまでは、歌を歌って待たれていましたが、歌詞の内容に「そうそう、昔はそうだったわよね。」と子どもの頃を懐かしそうにお話される姿もありました。まだ熱いクッキーをおいしそうに召し上がって、お茶会は終了となりました。
4月12日(土)
穏やかな天気で、リビングの窓を開けているとひらひら桜の花びらが舞い降りてきています。Kさんは、「ここでは毎日タダで花見ね!」と嬉しそうな表情。Nさんは「毎日おご馳走が出てくればいいのに・・・」と冗談。2人で笑いながら外の桜をながめています。
4月19日(土)
鹿児島出身のT.K.さんからアドバイスを頂きながら、夕飯で手作りのさつま揚げに挑戦しました。悪戦苦闘しながらも魚をさばき、すり身を作り、揚げ立てのさつま揚げを堪能しました。ビギナーズラックとでも言いましょうか、予想以上に上手く出来、T.K.さんの口からも「鹿児島を思い出しますね」の一言が。
4月24日(木)
今日はK.Cさんの誕生日です。こちらからお祝いの言葉をかけると「私の誕生日を覚えていてくれて涙が出るほどうれしい。」とおっしゃってくださいました。午後からは皆さんでケーキを作ってお祝いし、照れ笑いをしながら喜んでくださいました。
4月26日(土)
今日は「にがり」を購入し、夕飯の準備の際に手作り豆腐に挑戦しました。途中で湯葉を堪能しつつ、雑誌の記事に載っていた通りの分量でにがりを入れ、手ぬぐいでこし、見た目には立派な豆腐が完成。「お味見を」と真っ先に口に運んだT.K.さんから「苦ーい!」の一言。慌てて皆で試食をすると、確かに後味がかなり苦い仕上がりとなっていました。せっかくなので半分は炒め物に、半分はお味噌汁に入れ、どうにか苦味も気にせず食べましたが、奥の深い世界であることを痛感しました。まだまだ修行が必要のようです。