グルップボエンデ井荻 井荻介護日記2017年10月

１０月１５日（日）
今日は入居様のご家族、近隣の方々を招いて食事会が開かれました。皆さんで作れるメニューをと焼きそばに決定。ご家族の皆様もエプロンを持参してスープの準備、サラダを取り分けたり、お年寄りとその娘様と協力して焼きそばを作ったりと、和気あいあいととても賑やかでとても楽し気でした。ご家族の隣席で食事している皆さんはとても落ち着き、穏やかな笑顔を見せていました。近所にお住まいの子供達も参加していたので「子供っていいわね、元気で」と、子供達を見つめている皆さんの目は温かみに満ちたまなざしでした。

１０月１７日（火）
午後からＳＹさんＦＳさんと近所の喫茶店ぽえむに行きました。お誘いしたときお二人とも「え？何？いいとこに連れて行ってくれるの？」と笑顔です。ぽえむはボエンデからゆっくり歩いて10分位の商店街の中にある珈琲専門のお店でＳＹさんもＦＳさんもコーヒーは大好きです。ケーキセットにしましょうという事になり、みなチョコレートケーキを選びました。85歳のＦＳさん、コーヒーはお砂糖入りのブラック、94歳のＳＹさんはミルクとお砂糖入り。「私チョコレートが大好きなの」。（存じていますよ）話はＳＹさんが保険のお仕事をされていた時分のことです。ご主人のつながりやお友達とかにお声を掛けたのですかと質問するとすぐさま、「それは一切しないの」毎日法人に行って「ガムを一枚時ずつ配って「あ、今日も来たんだ、あの保険の人と覚えてもらってね。名刺置いていっても嬉しくないでしょ、ガムの方かいいと思ってね、それで顔を覚えてもらってお声がかかって保険の契約とったの」「それまで働いたことなかったから楽しかった、いい社会勉強になったの」と活き活き話して下さっています。ＦＳさんも「うんうん、それはあなたが立派だからよ」と頷かれています。気が付けば一時間半の珈琲タイム。「楽しかった、また来たいわね」とボエンデに帰りました。いつも素敵なお二人です。

１０月２３日（月）
今日は台風が去った後で久々に青空が広がり、午後にＫＫさんと近隣の遊歩道を散歩し、途中、休憩にパン屋さんのリトルマーメイドに寄りました。「私、珈琲が大好きなのよ。だから珈琲がいいわね」と話され、熱い珈琲を美味しそうにゆっくり飲まれていました。カメラを向けるとにっこりと笑顔になられ、珈琲を飲みながら関西のお好み焼きの話になり、「昔はよく作ったわ、たこ焼きも。美味しいのよ」と懐かしそうに話され、帰り際に「また来たいわね。一緒に行きましょうよ」と誘って下さり、次回は車か車椅子を併用して少し足を延ばそうと話しながら帰宅しました。Ｋ.Kさんの笑顔が沢山見られた散歩でした。

１０月２６日（木）
昼食後、FMさんと吉祥寺にある猫カフェ「てまりのおうち」に行きました。「猫ちゃんがいるカフェにいきましょう」とお誘いすると、「あら～、どんなかわいいこがいるのかしら！」と楽しみにしている様子です。猫カフェに向かう車内でも、「猫のあの動きがなんとも言えないわよね」「おいでおいで～って声掛けたら、ぴゅーっと逃げちゃうかもしれないわ」と話をされていました。
店内に入ると、人懐こい猫がたくさんいます。テーブルに着くとさっそくＦＭさんの足元に猫が寄ってきてました。「何かくれると思ってるのかしら？」と笑顔です。テーブルの下でリラックスした様子で寝ている猫を見て、「あらら、あんなに安心しきって寝ちゃってる！」と話されたり、ＦＭさんの椅子の下で丸まっている猫を触って、「この猫ちゃんの触った感じがいいのよ～」と終始楽しそうな表情が見られました。
帰り際も、「こんな世界があるなんて初めて知ったわ！いい体験をさせていただきました。ありがとうございます。」とおっしゃっていました。

１０月２７日（金）
今日はANさんの77歳の誕生日です。昼食は中谷氏のＦＳさんと車で外食に出掛けています。午後のティータイムではケーキと花束と皆さんの歌で誕生日のお祝いをしました。最年長のＳＹさんから花束を受け取るといつも穏やかな笑みを浮かべているANさんの顔が一段とほころび、来訪されていたご主人と記念のツーショット写真を撮ると更に素敵な笑顔になっています。Aさんご夫婦の素敵な一面を見ることができた誕生日でした。

１０月２７日（金）
　20時頃のことです。FMさんのお部屋へ洗顔のお手伝いをしに行きました。ＦＭさんはスタッフが薄着だったことをとても心配してくれました。「パーカーあるから大丈夫ですよ。」とお伝えすると「上着あるならいいんだけど・・・」とのことでした。「心配してくれてありがとうございます。」とお伝えしてから退室しましたが、それでも心配だったようで数分後介護ステーションに来て「こんなんで良ければ着て下さい」とご自身のダウンを貸して下さいました。お礼をすると満足そうに居室へ戻っていきました。
　その後は居室でテレビを観て過ごし、チャンネルは小学生の大繩大会の番組だったようです。「うわーすごい！がんばれがんばれ！」と声が聞こえてきました。大繩をする子どもたちを観てはしゃいでいるＦＭさんの姿が容易に想像できました。２１時になり、ＳＹさんの居室を訪室した際も、楽しそうに同じ番組を観ていました。同じ頃、ＤＳさんの居室からも同じ番組の音が聞こえてきました。みなさんやはり子どもたちが一生懸命何かをしている姿を観るのが大好きなのだと温かい気持ちになった夜勤でした。


１０月２８日（土）
今日は、ハロウィンのイベントがありました。あいにくの雨模様でしたが、近所の子供達が仮装をして、お菓子をもらいに遊びに来てくれました。ＳＳさん、ＳＹさん、ＦＭさん、ＦＳさんは、「恥ずかしいよ。」と言いながらも、ハロウィン用のとんがり帽をかぶって、先日用意しておいたお菓子を、子供たちに配っていました。お年寄りも子供達も、みんな笑顔でとても楽しめたようでした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

１０月３０日（月）
何日か前より足を痛めてしまいひきずって歩いている姿を見て「どうしたの？」「大丈夫なの？」と声をかけてこられ、痛みの説明をすると、「私も若い時になったことがありますよ。」「痛そうね」「どうして水が溜まるのかしらね？お金が貯まるなら良いのにね。」と何度も心配してくださっています。ご自分の経験の事を話す中に「今痛いだろうけれど大丈夫必ず治るからね。私もそうだったから。」と労いや、励ましの言葉を聞き、皆様からいつも感謝を忘れないで居なければと教えられるこが多いです。私も素直に感謝が出来る様になりたいと願っています。