グルップボエンデ井荻 井荻介護日記2016年03月

3月3日（木）
今日の昼食はひな祭りを祝ってちらし寿司とお吸い物。テーブルに華やかに並んだお料理に歓声があがり、ひな祭りの行事が受け継がれてきた過程を皆様それぞれがお話しになられていました。午後はMHさんと井荻の駅前の本屋さんへ料理本を買いに出掛けています。商店街もひな祭り一色で「春が来たようね、ウキウキするわね。」と言われ、ひな祭りの歌を口ずさんで軽やかな足どりで歩かれていました。

3月4日（金）
今日は、外出計画でFMさんと吉祥寺まで出掛けてきました。吉祥寺に着くと平日にも関わらず沢山の人で賑わっていました。昼食を食べた後に、小鳥カフェへ。色々な種類の小鳥がいて、その中の1羽、オカメインコのいくらちゃんと触れ合いました。FMさんは自分が飼っているインコをお世話する時みたいに話し掛けたりして楽しまれていました。飼っている2羽のインコに似ているグッズが売っていると「この2羽、あの子達に似てない？可愛いね。」と興味津々でした。帰る時には「楽しかったー。1人ではなかなか来られないから連れて来ていただいてありがとね。」と言われていました。

3月8日(火)
今日は井荻のユニットでの最後の夜勤です。16日からは、上井草グルップボエンデあかねのユニットに異動なるためです。入社して1年3ヶ月、共に笑い、寝食を共にした皆さんとのお別れは、やはりちょっぴり辛いです。介護をさせて頂いた事よりも「夜勤たいへんね。」「今日、調子大丈夫？」「ありがとうね。」と、どのお年寄りも優しく、思いやりのある人生の先輩ばかりで勇気づけられる事ばかりでした。今は夜中の3時過ぎ。安らかな皆さんの寝息が静かに聞こえています。感謝と共に、いつまでもお元気でいて頂きたいと心から願っています。

3月21日（月）
今日はTAさんの87歳のお誕生日。昔からよくご家族とお食事に出掛けたという、お馴染みの、阿佐谷にある鰻のあづまやさんにスタッフと2人で出掛けました。「家族と一緒に来た時には、よく、向こうの席に座ったのよ。」と昔を思い出しながら、いろんなお話を懐かしそうにされました。午後はボエンデで、皆と一緒にお祝いをしました。「皆さん、ありがとうございます。」と、素敵な笑顔をみせてくださっていました。

3月22日（火）
午後、池の水を抜いて藻で緑色になってしまった底を金ブラシで掃除していると、リビングからその様子を見ていたTKさんがサンダルを履いて「手伝うよ。」と庭に出て来られました。ブラシで底を擦って頂くと「わぁ、緑のが浮出て来たよ。すごい。」と楽しそうに掃除され、「レンガに座ると楽だよ。」とスタッフを気遣って下さっています。ブラシ掛けを終え、水を流すと汚れが流れて白い底が見え、「キレイになったね。金魚も喜ぶよ。」と満足そうにリビングに戻って行かれました。最後まで掃除を終えて池に金魚を戻すとTKさんがガラスの向こうから指でOKマークを作って笑顔で金魚を見ていました。

3月23日（水）
春らしい気候のこの日、MHさんが花小金井のグリーンロードにお花見へ行かれました。まだ桜は咲き掛けでしたが、他の植物たちを見るだけでもとても楽しむことができました。『スダジイ』と札の掛かった木があり、スタッフが「おじいさんの名前みたいですね。」と言うと、「きっと、椎の木だと思うわよ。」と冷静に分析して、地面に這いつくばって細長い形のドングリを採取しようとされたMHさん。スタッフも一緒になって拾っていると、ボールを持った男の子がやってきました。どうやら座り込んでいる2人を心配して見に来てくれた様子。しかしそうとは言わずに、2～3言会話を交わした後、「僕も持ってるよ。」と言って細長いどんぐりを1個くれました。とても心が温かくなる交流でした。