上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2017年01月

1月3日（火）
午後はお年寄りの皆様、のんびりとお過ごしで、リビングでTVをご覧になりお正月の定番的な箱根駅伝を観る事となりました。見始めるとK.Mさん「うぁー。すごいわね。あんなに人が応援して。」と選手より応援している人の多さにまずびっくりされ徐々に見始めるとI.Aさんも見入りゴールまで皆さん集中されていました。ゴールが近づくにつれ沿道の声援も多くなりK.Mさん「来年は皆で応援行こうか。」とI.Aさんも手を叩き賛同され選手たちのゴールを見守り拍手を送られていました。何かを頑張っている姿は皆さんの心にも響くのだと感じた一日でした。
1月上旬　
　すっかり年も明け、初詣も過ぎたころ。Oさんに初詣は行きましたか？と尋ねると「行った行った！靖国神社とあともう一つ！なんだったかな…」と昔行かれた神社の名前を挙げられています。
何をお願いしたのですか?と尋ねると「あんたに良い婿ができますようにって」と笑いながら話されています。それを聞いた他のお年寄りの方が「ほんと孫みたいなもんだから心配してんのよ」新年早々そんなお話をしていただき、温かい気持ちになり周りが笑顔で包まれました。

１月7日(土)　
正月気分もまだまだ抜けきらない朝一番。早い方は6:30には起きられ、ブラインドを上げたり、新聞を読んだり、イーゼルのカレンダーを書き変えたりと自身のルーティンをこなされます。
さて一仕事終えて朝ごはん。「なんで御飯じゃなくてお粥なんですか？」「なんででしょう？」一瞬沈黙があった後「七草か！」と思いだされます。
他の方は「七草って何入っていたっけ？」「なずな、ごぎょう、はこべら…あとなんだっけ？」「せりもあったわねぇ…」と隣のSさんが言います。私「あと3つだね何だろう？」「もう忘れちゃったよ！」7つには届かずとも4つは皆で思い出し、おいしく七草粥を頂きました。

1月16日(月)　　　　　
　先日できなかった鏡開きを行いました。昼食後より小豆を鍋で煮ていたためフロアは甘いあんこの香りが広がりました。鏡開きのため、お餅の入ったぜんざいを召し上がっています。「お餅なんて久しぶり！」「あら！美味しそう！」「今日は何のお祝いですか？」と特別な様子が伝わったようです。「おかわり…あるかしら？」とほとんどの方がおかわりをしていました。T.Tさんはスタッフに耳打ちして「中身(お餅)のおかわりしたい」と珍しくご自身の希望を仰っていました。「いくつでも食べられる」とおかわりを召し上がりながら喜んでおられました。
　1月26日（木）
1月にしては暖かく、お買い物の帰りにスーパー脇のパン屋さんで道草をしてきました。
パン屋さんからのいい香りにつられてKさんは「これ美味しそう・・・ちょっと大きいかな。」とチョココロネを眺めて悩んでいましたが「まぁいっか！」と吹っ切れたように購入されました。カフェスペースで休憩しさっそくチョココロネを1口パクッと召し上がると「こんなに美味しいパン初めて食べた！すっごく美味しい。」と目をキラキラさせ本当に嬉しそうに話されていました。「今食べると夕飯食べられなくなっちゃうかな、と思ったけど大丈夫みたい。別物だわね。」と話しながら完食され、一息入れると「さあ帰ってお夕飯作らなきゃね！」と帰り道をスタスタ歩かれ、帰ってから疲れも見られず手際よく品物を袋から取り出し、スタッフに「はい、これは野菜ね。これはお肉。」と仕分けして渡してくださり、スタッフとぴったり息を合わせていました。元気で頼もしいKさんとの楽しいひと時でした。

1月6日（金）
お正月に千葉の娘さん宅に一泊するのが恒例のHKさん。買い物のときにお正月の娘さん宅どうでしたかと尋ねると一気に顔がほころんで「御馳走をいっぱい作って待っていてくれた。髪も伸びていたから気になって襟足のところを娘がカットしてくれた。」と話してくださいました。それから手で顔を覆って、何事かなと思ってお聞きすると、娘が結婚するときに私が書いて娘に渡した料理のノート（レシピ帖）を見せてくれて、50年くらい前になるけど娘が大事に取ってあったの」と涙されています。それはもちろんうれし涙で、「私はすっかり忘れていたんだけど、、、」と感激が伝わってきました。
実は私たちスタッフは今年娘さんのところに行けるか、混乱があるのでは、と気を揉んでいましたがそれは杞憂でした。普段なかなか家族と水入らずの時間を持てないHKさんにとっては年に一度の訪問は特別なものだということがよくわかりました。
家族とのかけがいのない時間を持つということは、お年寄りにとって私たちが思うそれ以上のものだと認識を新たにしました。来年も行けるといいですねHさん！