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Kamiigusa Asagi Diary

あさぎ介護日記2012年10月

上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2012年10月

10月12日(金)
入居して間もないIさんとスーパーに買い物に行きました。出掛ける前に今日の昼食メニューを相談した時は、なかなか思いつかないようでしたが、スーパーで食材を前にすると、次々と献立のアイディアが浮かぶようでした。初めは魚の切り身を煮ようかと言っていましたが、精肉コーナーで鶏の手羽元が特売になっているのを見ると「あら、安くていいじゃない。美味しいお出汁が出るのよ~。鍋なんかにするといいわよ~。」とのこと。予定変更して、鍋の材料を買いました。「長く主婦をやってましたから、安くて美味しい物が見つかると本当に楽しくなっちゃう。」とニコニコ笑顔でした。

10月21日(日)
午後からIHさん、KMさんと近くの和食レストランへお茶をしに出かけました。IHさんは植物に詳しく歩いている途中に植えてある草や木を見ては「これは桜の木じゃない?」「キンモクセイが咲いてるじゃない!」と興味深々でした。KMさんはマイペースなIHさんの腕をとり「一緒に行くわよ。本当だ!この木桜ね。」とお話ししながらお店へ着きました。店内から竹やぶが見えIHさんが「雀の宿ね。」KMさんは「この竹すてきねー。」と話されていました。ミニパフェが来ると「アイスが美味しいわね。」とお二人ともパクパクと召し上がっていました。食べ終り、料理上手なお二人に美味しい漬物の作り方を聞くと「ぬかを作ったら毎日混ぜなきゃだめよ。」「手は臭くなるけどね。」とアドバイスをもらいました。帰り道の途中でツーショットの写真を撮りボエンデに帰って来ました。

10月25日(木)
101歳を迎えてから急激に体力低下されてきたIEさん、最近では食事もとれず心配な日々が続いています。スタッフが心配して声をかけると「ありがとうございます。親切にして頂いて光栄です。まだ、死にませんよ。・・・でも体がしんどくて・・・このままあの世に行きたいです。」と気弱な話をされる事が増えてきました。以前から『自分の事は自分でする。他人に迷惑はかけない』との信念を強く持っておられ、今でも出来る限りはご自分でなさっています。「何かお手伝い出来る事はありませんか?」と伺うと「私の話し相手になって下さい。そんなに寂しがる方ではないのですが・・・私の生い立ちを聞いて下さい。」とご自分の故郷の話や、学生時代の話をユーモアに話して下さります。最後までご自分らしく生きようとされている姿に心を打たれるのと尊敬の気持ちでいっぱいです。そして、最後までケアさせて頂けることに感謝の気持ちでいっぱいです。

10月26日(金)
お昼にIFさん、IHさん、Yさんの三名とスタッフ2名でサンマルクレストランへ出かけました。行く途中、桜並木を見てIHさんは「私が住んでいたところの前も桜並木があってねぇ・・・。」とお話をしてくださいました。「花が咲いている時はいいけど、それが過ぎると毛虫が出るのよね。」と話されると他の方もうん、うんとうなずかれていました。レストランでは皆さんいつもと違い少し緊張した面持ちで召し上がっていましたが、少しずつほぐれてきて最後は「美味しかったね。また来たいね。」と話されていました。帰りは、園芸店に寄りテラスで育てるお花を買って帰って来ました。その花たちを植える様子をOYさん、KMさんが仲良く肩を並べて眺めていました。

10月28日(日)
今日は夕食後、YSさんのお部屋へ行くとベッドの上でとてもニコニコとされています。
「いつもYSさんは、ニコニコ笑顔が素敵ですね。」とスタッフが言うと、「素敵?私なんてそうでもないのよ、うちの姉はすっごく背も高くて美人で、兄はまあまあ、私はこんなよ。」と言われました。「そうかな、私はYSさんに綺麗の秘訣を聞きたいんだけど・・・。」とスタッフが言うと、YSさんしばらく考えてから「そうね。心を奇麗にすることよ、いつも一生懸命に生きるの、そうすると笑顔になるでしょ。」本当にいい秘訣を聞きました。

10月29日(月)
今日は朝から晴天でサミットへ買い物にIFさんとIHさんで出かけました。空は雲一つない真っ青な空で「綺麗ねー!」とふたりで空を見上げておられました。風が吹くとIFさんは「頭ぐちゃぐちゃじゃない?」と気にしておられました。IHさんが「大丈夫よー。」返答しておられました。スーパーにてIFさんはカートを押して下さり、IHさんは品物を選んでカゴに入れてくださいました。昼食の材料を買い終えると買い物袋に品物を入れてから皆であさぎへ戻りました。帰り道また空を見て「あれはちぎれ雲だねー。」と信号待ちで話して折られました。

10月31日(水)
今日は、秋の土用の丑の日。昼食はうなぎの蒲焼をいただこうと、献立は事前にスタッフが決めて準備をしていました。昼食の支度が始まるとHさんがスタッフに「今日のお昼はお肉?お魚?」と聞いてきました。「うーん・・・どっちかなぁ。」と勿体ぶって答えると、「内緒なの?」となにかごちそうなんだとすかさず察したHさん、「楽しみだ。」とニッコリ。蒲焼をフライパンで温め始めると、そーっとそばにきて耳元で「鰻だね、楽しみだ。」と言っていました。食卓に鰻丼が並ぶと、IHさんは、「すごいじゃない、鰻丼みたいのがでてきわねぇ・・・」茶目っ気たっぷりといった感じで笑ってうれしそうです。いつもは少食の方たちも箸がすすみ、「おいしい鰻だね。」「タレの味がいいね。」「これは上等だね。」などと口ぐちにおっしゃり、いつもより賑やかなランチタイムとなりました。

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