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Kamiigusa Asagi Diary

あさぎ介護日記2012年02月

上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2012年02月

2日(木)
午後、Iさんが手持ち無沙汰な様子だったので、お得意の“百人一首”にお誘いしました。「おや、百人一首は好きだで。」とにこにこしながらリビングにいらっしゃいました。札を渡すと、抑揚をつけて流暢にスラスラと空で詠んでいました。あまりにお見事なので、あんずのお年寄りもお招きし、披露しました。百人一首は苦手というお年寄りもいたので、“いろはかるた”大会を始めると、皆さん威勢よく絵札を奪い合いリビングに歓声が響きました。

3日(金)
今日はYさんの88歳のお誕生日です。お昼の鰻重を前に皆さんから「おめでとう」と言われ少し照れながらも嬉しそうな表情をされていました。
食後にYさんはお化粧をしておめかしです。鏡を見ながら「眉毛をもう少し濃くしたいわ。」や「この口紅の色派手じゃない?」等久々のお化粧を楽しまれていました。
お誕生日会にはあんずからもお祝いにお年寄りが来て下さりますます嬉しそうでした。そして「私は何歳に見えますか?」と皆さんに聞かれていました。花束を渡され「まぁ!」と驚かれ夕方お部屋に飾られています。
すてきな米寿のお祝いになったと思います。

6日(月)
本日は雨が降り天気の悪い日でしたが、午後にIさんをお誘いし車で買い物へ出掛けました。
車中では込んでいる道路を見て「こりゃあ混んでるねぇ、なかなか道に入れんな。」と混雑している道路に嘆いておられました。渋滞で止まっている間Iさんの看護婦時代の大変だった事を伺うと「最初は慣れんで大変だったけど、慣れてくればなんて事ない。自分がどう思うかだね。」と話しておられました。スーパーへ着くとカートを押し、「ここは広いね!こりゃ分からんくなるわ。」とお話ししながら夕食の食材を買いボエンデへ帰って来ています。

22日(水)
いつも、ご飯作りに積極的に参加してくださるHさん。今夜のメニューを聞いて、張り切るHさん。エプロンをして準備OK。柔らかいハンバーグを1個ずつフライパンに入れていきます。じっとハンバーグを見つめて、「もうひっくり返していい?」とスタッフに聞いています。再び、ハンバーグを見つめ「もういいでしょ?」と再度、確認され、「もう大丈夫。」とスタッフが合図をすると、元気よくハンバーグをひっくり返したところ、ハンバーグがくずれてしまい、「あっやっちゃった!」とHさん。「大丈夫ですよ。」とスタッフに言われて、ほっと胸をなで下ろし、ふわふわハンバーグの出来あがり。お皿にのせて、マカロニ、人参のグラッセも彩よく盛り付けました。ハンバーグを一口食べて「美味しい!」と一言、Hさん。「先生また作ろうね。」ととても満足そうな顔でにっこりされました。

23日(木)
 午前中は雨が降り続いていましたが午後から晴れ間が出てきました。今日はオペラコンサートが2階のあんずであるのでお年寄りは14時前には少しずつ2階に移動しました。歌手と演奏者の二人は鮮やかな赤と青のドレスを着て登場されると約35名集まったお年寄りは嬉しそうに拍手をしておられます。オペラ歌手が目の前で力強く美しい歌声で野ばら、アベマリア、千の風になって、蘇州夜曲、上を向いて歩こうなど懐かしくて好きな曲を聴きながら一緒に歌ったり、聴き入ったりしてくつろぎの一時を過ごしておられました。O.Yさんはあさぎに戻られると「オペラ良かったよ。すごく良かった。」と満足そうにスタッフに話しかけておられました。

27日(月)
夕方から、不安な気持ちが募り家に帰りたくなってしまったOYさん。一人でいると淋しくなってしまう様子。お話をしても、淋しさは募る一方。スタッフがお部屋に誘い、「髪の毛にカーラーを巻きませんか?」と誘うと、「いいの?巻いてくれる?」とやっと笑顔が見られました。お部屋でスタッフと二人でゆっくりとお話をしながら、美容院ごっこをしました。「頭の上は巻かないでね。小さいカーラーで沢山巻いて頂戴。あなた、上手じゃないの~!!」と、おしゃれなOYさんは巻き方にもこだわりがある様子。そのうちに「主人が居なくて淋しい。でも、今はあなたに淋しい気持ちが話せるから・・・まだいい方ね!あなた、私の話ばっかり聞かされてごめんね。」と気持ちが和んできた様子。鏡を見ては「ここは、もうちょっと斜めに巻いて。襟足は巻かないで大丈夫よ!!」と本領発揮!!
巻き終わると「今日はこのまま寝るから、頭にネッカチーフ巻いて、みんなの所に行くわね。それなら変じゃないわよね??」とタンスからスカーフを出して、頭に巻いてリビングへ。ソファーに座っていたOさんに「あら、お洒落しちゃって~。」と話掛けられると「と~んでもない!」と言いつつも満更でもない笑顔でした。

2月29日(水)
朝6時過ぎ、今日もボエンデの一日の始まりです。 ITさんと居室でお話ししていると、「おはようございまーす。」とOYさんのお元気な声が。エプロンをつけて、「朝食づくりのお手伝いしましょうか。」と張り切っているご様子。続いてYさんがリビングへ。おふたりでブラインドを開けて下さっています。間もなく「うわぁー!」というYさんの声が聞こえたので、ITさんとリビングに出てみると、窓の外は一面の雪景色。「うわぁー、こんなに積もってる。」そこに出ていらしたIFさんと5人、しばらく無言のまま、木々に積もった真っ白い雪を眺めていました。「私の家の有るいわきは東北だけど、浜通りの方だからこんなに積もることはめったにないんですよ。」とOYさんがおっしゃると、「浜松もあんまり降らなんだねぇ。」とIFさん。Yさんも「四国もあんまり降りませんよ。」ソファーに並んで座りおしゃべりがはじまりました。IFさんが窓辺に近づいて「表に出てみたい気がするなぁ。」と言うと、OYさんが「あら、でも出たら寒いから、暖かいところで見ていましょうよ。」Yさん「そうですね。それがいいわねぇ。」部屋の中から雪景色を楽しむ事に決まったようです。次に出ていらしたKさんは、窓の前まで来ると急いで居室に引き返し、すぐにカメラを片手に戻ってきて雪景色を撮影。写真撮影がご趣味のKさん、シャッターチャンスは逃しません。その後もHさん、Nさん、OKさん、IEさん・・・みなさん、食卓に着く前に足を止めて、窓の外の景色にしばし見とれていらっしゃるようでした。

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