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Kamiigusa Asagi Diary

あさぎ介護日記2011年10月

上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2011年10月

10月1日(土)
 今日は子供神輿が通るということで、YさんHさんIFさんITさんと表へ出ました。なかなか子供神輿が通らず、しばらく待っている間、お喋りを楽しまれていました。Hさんは、「神輿を見るのは何年ぶりかな。」と神輿が通るのを今か今かと待っていました。神輿が近づき、子供たちの姿を見るとITさんは大変喜ばれ、手を叩いて神輿の動きを真剣にご覧になっていました。賑やかな午後の一時となりました。

10月8日(土)
 IEさんをお誘いしてお散歩に出かけました。「どうして私を選んでくださったんですか?」とスタッフに尋ねられたので、「物知りのIEさんとお散歩をするのが楽しいんです。」と答えると「そうですか。嬉しいです。」とにこにこされていました。切り通し公園に着くと、「これは、やぶがらしですよ。」と雑草の名前を教えてくださいました。「これはやまぶきですね。」と次から次と教えてくださいました。ベンチに座り、一休み。「今日は暑くもなく、寒くもなく、気持ちがいいですね。」と空を眺めながらぽつりと話されます。暫く、草木の話が尽きません。「そろそろゆっくり歩いて帰りましょう。」と声をかけると「そうですね。」と言いながら杖をつきながら、ゆっくりと立ち上がり、いま来た道を戻りました。

10月20日(木)
 今日は午前中からどんよりと曇った天気でした。雨は降らなかったので午後15時からYさんと公園まで散歩に出かけました。ボエンデを出て健康維持の為にゆっくりと坂を上りました。坂を上ると車椅子に乗ってから近くのコロッケ屋さんを右折し、自動販売機でお好きな温かいミルクティーを購入されました。それから道路を渡り、小さな公園のベンチへ。「今まで記憶に残っている一番の思い出は何ですか?」と尋ねると「海外に夫と行ったこと。色々人と会うことができて楽しかったわよ。」と嬉しそうに教えてくださいました。「ミルクティーも美味しかったー。」と飲み干してからあさぎへ戻りました。
 
10月23日(日)
夕方、Kさんの居室に戸締りのためにお邪魔すると、あんずユニットに入居されている奥様と仲良くテレビを観ていました。「ラブラブの所すいません、お邪魔します。」とスタッフが遠慮気味に入室すると「いや~いいんだよ~。どうぞ、どうぞ。」と旦那様。奥様はちょっと照れて笑い頭をポリポリ・・・「いやね、大橋巨泉がテレビに出てるから珍しいなと思って二人で観てたんだよ~。最近出てなかったけど、元気そうだ。なっ!!」と奥様に話しかけるKさん。『うんうん』とうなずく奥様。そのちょっとした会話に長年の夫婦の歴史を感じました。いつもはちょっとしたことですぐに夫婦喧嘩をしているお二人ですが、こうやって夫婦で同じ日々を過ごし、同じ思い出がたくさんあり、時には一緒に思い出すことが出来るのはとても素敵だな、と思うスタッフでした。


10月24日(月)
上石神井駅近くの大型薬局にお買物がてら、駅前のCAF?でケーキセットを食べようと、OさんとHさんを誘って出かけました。朝から何となくご機嫌だったHさんは、シルバーカー代わりの車椅子を押しながら「杖より楽だね。」と張り切って、軽い足取りでどんどん歩いていました。「疲れたら言ってくださいね。」と何度も確認しましたが、「片道ぐらい、大丈夫。足腰も鍛えなくっちゃ!」とにこにこ笑顔で店まで頑張って完走ならぬ“完歩”されました。その後CAF?に入り、待望のおやつとなりました。ケーキを数種類注文し、各々好きな物を食べることにすると、「私、栗のケーキ!」と一番のりでモンブランに決めたHさん。とても美味しそうに頬張りながら「栗って今旬でしょう!一番美味しい時に食べなくっちゃ!」と話していました。

10月26日(水)
お風呂が大好きなHさん。今日は朝のスタッフが出勤してくると玄関まで出迎えてくださり、「おはようござ・・・」とスタッフが挨拶をしている途中で「今日は血圧が良かったからお風呂よろしくね。」と寒さを吹き飛ばすような笑顔でした。
お風呂の準備が整って声を掛けると「午前中に入れて本当によかった。」と弾んだ声で言われていました。
お風呂に入られている時は、めずらしく旦那様との話をして下さりました。スタッフも結婚していることがわかると「いつまでも仲良くね。」と言って下さりました。
お風呂に入れたことがとても嬉しかったのか、午後も「今日はお風呂に入れてよかった。」と何度も言われていました。

10月28日(金)
毎朝、IEさんがその日の日付と曜日をチョークにて黒板のボードに書き入れてくれています。そこには英語表記も併せて記入していただいています。
本日はOct.28 Fri。
夕暮れも迫ったリビングでのひととき、IEさんがそのボードを眺めています。
私が『今日もしっかりと日付を書いて頂いてありがとうございます。』とお声掛けしたところ、『Octって数字の8って意味ですよ。昔はオクトーバーって8月だったんですよ。』とのこと。
えー!!そうなのですか!と、ビックリする私・・。
『時間があったら調べて見て下さい。』とおっしゃり、微笑んでいるIEさん。
帰って調べてみると、IEさんのおっしゃるとおり、オクトは8の意味で、昔、オクトーバーは8月の事だったそうです。
そうなった経緯は割愛させていただきますが、とても博識で記憶力も確かな100歳のIEさんにただただ頭の下がる思いでした。

10月28日(金)
 今日は午前中、YさんとHさんスタッフ2名で近所のスーパーまで買い物に行きました。Hさんは坂道も杖をついてご自分で歩かれ「疲れましたか?」と聞くと「いや」と答えられ、どんどんご自分で歩かれていました。日差しが強かったのでHさんが帽子をかぶっているのを見て「私も帽子持ってくればよかったです」というとHさんは笑っておられました。店内に着くとYさんは「カゴを持ちましょうか?」と言ってくださいました。スーパーからボエンデへ帰ってくると「これ私たちが買ってきたお肉だね。」と嬉しそうにされていました。食後も「先生が作ったのおいしかった。お肉だから楽しみにしてたの。」と満面の笑みでした。


10月29日(土)
夕方、入浴へお誘いすると「何処?あなたについていけばいいわね。」とスタッフの後を追うように浴室へ。Oさんが気持ちよく入浴できるように、スタッフがCDラジカセを用意しておき、本日は『千の風になって』を聴きながら入浴しましょう…と決定。Oさんは大きな声で歌い出し、「そういえば、この曲聴くの久しぶりね。」とうっとりしています。その後は、亡くなったご主人のことをとても懐かしそうに話され、スタッフも負けじと主人自慢。さらにOさんが自慢!いつまでたっても勝負がつきません。「ばかたれ(スタッフ)と話しているときが一番幸せだ。わたしたち、こう見えて、すごくいい友達だと思うの。そう思わない?」と最後は話してくださり、スタッフは心から嬉しくなりました。

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