上井草グルップボエンデ あさぎ介護日記2011年01月

1月1日（土）
年が明け２０１１年の初日となりました。スタッフの「明けましておめでとうございます。」の挨拶に最初はビックリされていましたが、「あっそうか、お正月になっちゃたのね。」と苦笑いされています。朝から御節・お雑煮料理の準備をしているスタッフを見かけて「私も手伝うわよ。」と声を掛けてくださるI.Fさん。いつもどおりにのんびりテレビを観て過ごすお年寄りの方々もいて元旦といえども、いつもと変わらない様子です。

1月3日（月）
今日は皆さん、箱根駅伝を観ています。早稲田と東洋の一騎打ちです。ITさんは早稲田を応援しており「うちの息子は早稲田大学なの、だから応援するのよ。」と嬉しそうに話されています。Oさんが「都の西北～」と歌うと後から歌いだして楽しまれています。スタッフが「では慶応の歌は？」と聞くとITさんが「今は早稲田の応援をしてるのだからいいの。」と言われスタッフに笑って注意をされています。早稲田が総合優勝をすると「早稲田が勝った！早稲田が勝った！」と、とても喜ばれていました。

1月7日（金）
午後、あんずユニットにて「南京玉すだれ」のボランティアさんがいらっしゃいました。あさぎのお年よりも皆さんで遊びに行きました。特にOさんはものすごく楽しみにしており、「まだ来ないの？何時に始まるの？」と朝から心待ちにしていました。いざ始まると、一番前の席に座り、目をランランとさせています。ひとしきり演技が終わると、すだれを借りて、教わりながら「魚、東京タワー、しだれ柳」と見事に成功させていました。「意外な特技があったんですね！」と伺うと、「私なんて全然だめよ～！！」と言いつつも、少し得意そうな笑顔で大変楽しまれていました。

1月12日（水）
午後、Oさんの娘様が来訪されました。お年寄りの皆さんに「大きなかぶ」と「かさ地蔵」の童話の読み聞かせをしてくださいました。優しい声でとてもゆったりとした時間が流れていました。お話が終わって、お茶をいただきながら、IFさんは小さい頃を思い出して、畑にかぶを取りに行かされたり、そのかぶを友達と一緒にそのままかぶりついたりした事などを思い出されたりして、昔を懐かしんでいらっしゃいました。みなさんは、またお話を楽しみにしているようでした。

1月16日（日）
甘い物好きなOさん。「ぜんざいが食べたい！」と元気におっしゃり、お茶をしに出かけています。外の寒さが厳しく「かなり寒いわね～。こんな日はぜんざいが、とびきりおいしいわぁ。」と寒いながらも笑顔でおっしゃっていました。ぜんざいを目の前にしたとたん、Oさんはパクパクと美味しそうに召し上がっていました。「この小豆よく煮えてるわぁ、私もよく昔は小豆を家で煮ていたものよ。」と昔を思い出しながらおっしゃっていました。ぜんざいを食べたらお腹いっぱいになられたようで、大満足のご様子でした。「あぁ、お腹いっぱい！」と帰り道スタッフと共につぶやき帰りました。

1月11日（火）
昼食は焼きソバと決まり、男性Ｎさんに、ホットプレートを使っての焼きソバ炒めをお願いしました。最初は気分がのらない様子でしたが、スタッフからエプロンをしめてもらい菜箸とフライ返しを手渡されると渋々ながら炒めはじめました。すると、気分がのってきたようでテンポよく炒めはじめ、ジュウジュウと美味しそうな音をたてて「塩はいれた？」と得意気です。香ばしい匂いがフロア中に漂っています。Ｎさんが炒めた焼きソバはキャベツの甘みとソースの香ばしさが普段より一層増していました。

1月20日（木）
子供が大好きなＮさん。たまたま遊びに行ったあかねフロアに、Ｋさんのお孫さんと生後１１ヶ月ひ孫さんが来ていたので大変喜ばれました。自ら腰をかがめて近づいて、頭をなでてあげたり、控えめながらもあやしてあげたり、目を細めてニコニコと見つめていました。スタッフに「可愛いいね。」と小声で伝えては、またあやしにいきました。暫く赤ちゃんの元気な様子を楽しんだ後「そろそろ帰りましょうか。」とスタッフが言うと、Ｋさんのお孫さんに丁寧に挨拶され、あかねフロアを後にしました。あさぎフロアの玄関に戻ると、「子供が…。」とお孫さんを心配する優しいおじいちゃんのような顔でした。

1月23日（日）
夕食の時間になり、ITさんの居室へ訪室して夕食の声掛けをすると、「私、調子が悪いからいいよ。ここにも沢山あるし。」と衣類を指差して仰っていました。スタッフが、「苺だけでも食べましょう。」と伝えると「そう、じゃ苺だけ食べるわ。」と仰ってリビングに出てこられています。夕食が始まると、いつも通り召し上がっていらっしゃいます。夕食後、下膳が済むと居室へ戻られたので居室へ訪室して就寝介助を行う際、スタッフが「さっき調子が悪いって仰ってましたが、大丈夫ですか？」と尋ねると「私そんなこと言った？」と仰り、先程のことは覚えていない様子でした。